数語覚えるだけで旅が変わる
大都市の駅や観光地には外国語の案内が増え、翻訳アプリも実用的になりましたが、短い日本語をいくつか知っているだけで旅行者の体験は大きく変わります。相手が外国語を話せなくても、基本の表現で声をかけると会話が格段に滑らかに始まり、手助けも得やすくなります。ここで紹介する表現は、どれも初対面の人に使って失礼にならない丁寧な言い方です。日本で暮らす人の立場から見ても、旅行者がこうした言葉を使ってくれると、自然と親切にしたくなるものです。とくに地方の小さな町や、年配の店主が一人で営む店のように外国語のメニューがない場所で、こうした表現が生きてきます。
あいさつと基本の表現
最もよく使う五つです。これが口に出るようになれば、一日を過ごすのに大きく困ることはありません。
- こんにちは — 昼のあいさつ
- ありがとうございます — お礼
- すみません — 呼びかけ、軽い謝罪、恐縮の気持ち
- はい / いいえ — 肯定 / 否定
- 大丈夫です — 問題ない、または要らないという返事
「すみません」ひとつでできること
「すみません」は旅行者にとって最も便利な言葉です。飲食店で店員を呼ぶとき、混んだ電車で降りるために道を空けてもらうとき、うっかりぶつかったとき、いずれもこの言葉で済みます。誰かがドアを押さえてくれたり道を譲ってくれたりしたときに、感謝の意味で使うこともあります。「大丈夫です」も使い道の広い言葉です。平気かと聞かれたときの答えだけでなく、袋やレシートが要らないと断るときにも使います。ただし、断りなのか同意なのかが分かりにくいことがあるため、軽く手を振りながら言うと誤解が減ると海外からの旅行者に伝えています。
飲食店で
人数を伝え、注文し、会計をして、あいさつして店を出る流れに沿った表現です。メニューを指さしながら言えば、発音がたどたどしくても十分に伝わります。
- 二人です — 人数を伝える(一人なら「一人です」)
- これをください — 注文
- おすすめは何ですか — おすすめを尋ねる
- お会計お願いします — 会計を頼む
- ごちそうさまでした — 店を出るときのあいさつ
買い物とコンビニで
レジでのやり取りは短く、決まっています。次の表現と、店員がよく尋ねる言葉の意味を知っておくと、慌てずに済みます。
- いくらですか — 値段を尋ねる
- カードは使えますか — 支払い方法を尋ねる
- 袋は要りません — レジ袋を断る
- 温めてください — 弁当などを温めてもらう
- 免税できますか — 免税の可否を尋ねる
道案内と交通
道を尋ねるときは、まず「すみません」と声をかけてから次の表現を使い、目的地の名前をスマートフォンの画面で一緒に見せると確実です。駅名は発音の似たものが多いので、文字で見せるほうが間違いが少なくなります。教えてもらったら、最後に「ありがとうございます」で締めくくりましょう。
- 〜はどこですか — 場所を尋ねる
- トイレはどこですか — トイレの場所を尋ねる
- この電車は〜に行きますか — 行き先を確かめる
- 出口はどちらですか — 出口の方向を尋ねる
緊急のとき
使わずに済むのがいちばんですが、必ず控えておきたい表現です。日本の緊急番号は警察110番、火事と救急119番で、言葉が通じないときは周りの人や宿の人にこれらの表現で助けを求めるよう勧めています。
- 助けて — 助けを求める
- 救急車を呼んでください — 救急車を頼む
- 警察を呼んでください — 警察を頼む
- 病院はどこですか — 病院の場所を尋ねる
- 気分が悪いです — 体調不良を伝える
発音のこつと注意
日本語は、一音一音をほぼ同じ長さではっきり言うと聞き取ってもらいやすくなります。「ございます」や「です」の最後の音は、実際には弱く聞こえることが多いものです。伸ばす音と詰まる音の違いで意味が変わる言葉もありますが、旅行中は状況や身振りが一緒に伝わるので、それほど心配はいりません。数字は聞き取りも発音も難しいため、レジの画面やスマートフォンの電卓で確かめるとよいでしょう。翻訳アプリは、通信が途切れたときに備えてオフライン用の言語データを事前に入れておくと安心です。相手の返事が速くて聞き取れないときは「ゆっくりお願いします」と言うか、スマートフォンのメモに書いてもらうよう頼めば大丈夫です。そして何より、笑顔でもう一度「ありがとうございます」と添えるのが、いちばんの締めくくりです。
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